海辺のホテルを舞台に、謎めいた男と少女の密かな交流を描く『ホテル・アイリス』。
『博士の愛した数式』をはじめとする代表作を集めたミニフェアはもちろん、『ホテル・アイリス』に近い官能的な雰囲気が味わえる作品を揃えるのもおすすめです。

ホテル・アイリス
著者:小川洋子

出版社名:幻冬舎
発売年月:1998年8月
税込価格:545円
ISBN:9784877286200


日本×台湾合同制作で映画化!
染みだらけの彼の背中を、私はなめる。
腹の皺の間に、汗で湿った脇に、足の裏に、舌を這わせる。私の仕える肉体は醜ければ醜いほどいい。
乱暴に操られるただの肉の塊となった時、ようやくその奥から純粋な快感がしみ出してくる…。
少女と老人が共有したのは滑稽で淫靡な暗闇の密室そのものだった―
芥川賞作家が描く究極のエロティシズム。

博士の愛した数式
著者:小川洋子

出版社名:新潮社
発売年月:2005年12月
税込価格:649円
ISBN:9784101215235


静かで暖かい愛の物語です
「ぼくの記憶は80分しかもたない」
博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた―
記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。
博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。
数字が博士の言葉だった。
やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。
あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。
第1回本屋大賞受賞。

ことり
著者:小川洋子

出版社名:朝日新聞出版
発売年月:2016年1月
税込価格:638円
ISBN:9784022648037


やさしく切ない、著者の会心作
人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりを理解する兄と、兄の言葉を唯一わかる弟。
二人は支えあってひっそりと生きていく。
やがて兄は亡くなり、弟は「小鳥の小父さん」と人々に呼ばれて…。

寡黙な死骸みだらな弔い
著者:小川洋子

出版社名:中央公論新社
発売年月:2003年3月
税込価格:713円
ISBN:9784122041783


清冽な迷宮を紡ぎ出す、連作短篇集。
息子を亡くした女が洋菓子屋を訪れ、鞄職人は心臓を採寸する。
内科医の白衣から秘密がこぼれ落ち、拷問博物館でベンガル虎が息絶える―
時計塔のある街にちりばめられた、密やかで残酷な弔いの儀式。

薬指の標本
著者:小川洋子

出版社名:新潮社
発売年月:1998年1月
税込価格:539円
ISBN:9784101215211


静謐な世界が広がる
楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。
人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。
「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」
靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。
奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。
恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。